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ヘルハウンド(大戦シリーズ名:王刃)

Author:ヘルハウンド(大戦シリーズ名:王刃)
同人サークル「夜刀の神」(http://hound21.web.fc2.com/)管理人 オリジナルのロボ小説「AEGIS」を同人誌で出していると同時に模型とか色々と手を出す、そんな趣味人

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漫画レビュー第一回:蒼天航路

レビュー関係ブログ化記念(?)レビューとしてまずはこの漫画行ってみようと思う。
蒼天航路。講談社の週刊モーニングで2005年12月まで10年間にわたって連載をしていた三国志漫画の異端児である。
何故に異端児か?
三国志は有名どころでは二種類に分類される。陳寿の示した歴史書「三国志」と、それを元にして明の時代に羅貫中が書いた『物語』である「三国志演義」である。
日本において三国志を漫画に記した場合、大概が「演義」ベースとなる。演義ベースになった場合、基本的に正義=劉備、悪=曹操と決まっている。
何故そうなったかと言えば、羅貫中が演義を記した際に儒教的プロパガンダを時の国が考えた故なのだが、そう言うことは今回省略する。
だがこの漫画は珍しく「正史」に沿った形となっている。しかし、一部要素(呂布に離間の計を掛け董卓を暗殺させた演義にのみ登場する女「貂蝉」や、関羽・張飛・張遼の武器(青龍偃月刀や蛇矛などはこの後1200年後くらいの武器))は演義も加えてあるため完全に正史寄りではない。
そしてこの物語においての主役は、決して劉備ではない。
もちろん、劉備も主役の一人だ。
では真の主役は誰か?
決まっている。漢王朝に属し、自分は「周の文王たれ」と言い残した希代の英雄。
戦略に優れ、驚異的な戦術眼を持ち、歴史に名を残す様な詩才を持ち、音楽を好み、そして何より、人とその才能を三国志でもっとも愛した男。
曹操、字を孟徳。
この男がこの漫画の主人公である。
この漫画は原作を映画監督「李學仁(イ・ハギン)」が勤め、作画を「ヘヴン」などで有名な「王欣太(KING☆GONTA)」が担当した。
この二人によってこの作品のキャラは、マイナーなキャラクター達まで含めどれもが独自性を帯びた極めてレベルの高い作品となった。
個人的に一番衝撃を覚えたのは徐晃だった。
今まで俺は「徐晃=地味に活躍するが地味に消える」キャラだったのだが、この漫画の徐晃はかなりの変人だ。何せ、猫ヒゲが生えている。
しかもこのヒゲ(触覚?)、元気具合で垂れたりもする。実際、最後の関羽との決戦前、策略を考えてたら徹夜してしまい一気にヒゲが萎えたくらいだ。
ちなみにこの男、初登場時も衝撃的で、袁紹軍から逃げるために素っ裸で馬に乗ってきた。地味キャラというイメージが崩壊した瞬間である。
で、そんな独自性を帯びたこの作品において肝心の主役である曹操はと言うと、初期の頃は女好きの完璧超人であった。
だが、年を取るにつれどんどん何か変な方向へ向かっていった。最後の方は面白爺さんである。
何せ許褚が趙雲を「蜂」に例えた瞬間、頭の中で蜂がわんさか沸いてきて混乱していたくらいだ。もっとも、これくらいの方が人間らしい気もする。
何故こんな感じでガラリと変わったのか。
長期連載だから色々と変わったのだろうというのもあったのだろうが、そんな中でもっとも大きな原因は「原作者の死」に他ならないと思う。
官渡の戦いを描く前くらいの段階で李學仁は死んだとされている。それ以降、彼は「原作者」ではなく「原案者」となっている。
実際、官渡の戦いの頃から曹操は少し変わり始める。烏巣襲撃時、彼はこんな台詞を吐いた。
「戦はそんな崇高な物じゃないぜ、袁紹」
後にも先にもこれだけではあるが、曹操の少し口調の荒い台詞である。
このころからやはり少し変わったのだなと言うのは感じた。
実際、この頃から休載も入り始めている。確かに大変だった様でインタビュー上でも「担当と話を作るのに苦労した」と語っている。
だからかファンでも官渡以降を「第二部」と呼んでおり、賛否両論が巻き起こった。
そりゃそうだ、三国志で一番盛り上がるはずの「赤壁の戦い」がちっとも盛り上がんないんだもん。
実際李學仁死後、打ち切りの話もあったという。
だが、このスタッフは逃げなかった。何回も休載しつつも、曹操の死まできっちり書いたのである。
で、その曹操の死がガチなのだ。
最終回一話前の「そろそろ死ぬぞ」に始まり、死に際、夏侯惇と酒を飲みながらの最期の一言
曹操「あたたかだな、惇」
惇兄「何を言うか。まだ寒…」

まで、全てにおいてが名台詞のオンパレードだ。
あの死に様は涙ものだった…。
しかし、この後のシーンにおいて未だに物議を醸しているシーンがある。
曹操の死後、三年以内に魏・呉・蜀全陣営の多くの名武将がこの世を去っている。
魏では夏侯惇に始まり、程、于禁、曹仁、張既、張遼、曹彰が、呉では呂蒙、凌統、甘寧、韓当が、蜀では法正、黄忠、馬超、張飛が。
そして、223年、劉 玄徳。
このシーンである。その劉備が死んだと書かれたコマが果たしてどのシーンなのか? これが未だにわからないのだ。
たかが一シーンと感じる人も多いだろう。だが、これ次第でこの作品における劉備像がガラリと変わってしまうのである。
件のシーンは劉備が怒りに満ちながら泣き、それを孔明が必死に抑えているといった図である。
今のところ三つの意見がある。
1:曹操の死を知って強大な敵を失ったことに対してやり場のない怒りを思っている。
2:関羽、張飛双方の義兄弟を失ったことで呉に対し猛烈な怒りを覚えている。
3:死ぬ寸前。
1の場合、劉備は北方謙三の三国志に出ているような「心の底から曹操が憎かったわけではない」といった風になる。これは劉備が一時期曹操の元に身を寄せた後造反した理由(曹操という男の元では自分の「徳」を活かすことができない上、曹操自身が「おっかない」)と矛盾する。その上後ろにいる趙雲達までもが号泣していると言うことの理由にならない。
今のところもっとも支持されているのが2だ。実際このコマには張飛がいない。別働隊として別のところにいたのではとする可能性もあるが、それでも夷陵の戦い前には劉備と一緒にいたはずなので、その説は却下だ。
3もまたあり得る選択肢の一つである。しかし劉備の死因というのは夷陵の戦いで負けたショックによる心労である。いくらかのリメイクを加えつつも割と死因は正史と同じく書いている王欣太の書き方ではないと考え、やはり却下だ。
それ故に自分は2を支持するのである。
まー、そんな大層なこといっても結局のところ結論は王欣太以外誰も知らないわけだしね。
え? じゃあ今までの考察はなんだったかって?
YOU! そんな細かいこと気にしちゃいけないぜHAHAHA!
…ごめん、落ち着く。
まぁ、この漫画自体出来はかなりいいので三国志ファンならずともオススメである。
全部で36巻に及ぶが、文庫版も発売されており、これは全18巻となっている。これ以外にも「画伝」と称した画集も存在しており、これもまた一見の価値ありだ。
また、とにかくこの作品は名台詞が多い。例えば馬玩(こいつをここまでプッシュした漫画は多分後にも先にもこれだけだろうな…)の死に際の台詞
「貴様は錦だ、馬超! 美しく義憤を貫けい!」
など、結構痺れる台詞が多い。
そういった漫画に外れは少ないのだ!
ただし、三国志漫画でこの漫画を最初に読むと、かなり強さのインフレが起きる(董卓軍武将の一人「徐栄」が異常に強い。張飛の長坂橋での強さは人間離れなどという次元ではない)のでそこだけは注意。
また、この漫画の孔明はホントに評価が分かれる。それは実際に見てもらった方が早いと思うので今すぐお金を手に本屋へゴーだ!
とゆーわけで今回はここまで。
また次回、ごきげんよう。
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